世界的な保護貿易政策と運賃市場の冷え込みにより、韓国の主要海運会社HMMの業績に大打撃が発生している。同社が10月13日に発表した第3四半期（7-9月期）の財務結果では、営業利益が前年同期比で約8割も縮小したことが明らかになった。

 

具体的な数字を見ると、売上高は2兆7064億ウォン（約2854億円）と前年比約24%減、営業利益は2986億ウォンと前年比約80%減という厳しい結果となった。この急激な収益悪化の背景には、米国を中心とする関税引き上げによる国際貿易量の減少がある。昨年同期は米国大統領選を前に「駆け込み輸送」が活発化し、HMMにとって歴史的な好業績となった皮肉な対比だ。

 

物流量の減少は運賃相場の暴落も引き起こした。上海コンテナ運賃指数は昨年の半分以下に下落し、特に北米航路では6~7割もの急落を記録。あなたが輸出入ビジネスに関わっているなら、この運賃下落は短期的には朗報かもしれないが、海運業界全体の不安定さは長期的な取引リスクとなる可能性がある。

 

今後の見通しは明るくないのだろうか？業界は通常7-9月期がピークシーズンとされ、これから年末にかけては閑散期に入る。加えて新造船の供給過剰問題も2026年まで継続する見込みだ。HMM側は「冷凍貨物や特殊貨物の取り扱い強化」「新規航路開拓」など収益改善策を模索しているが、貿易紛争の影響を企業努力だけで克服できるのかは疑問が残る。私たちが注目すべきは、この海運不況が国際物流全体にどのような波及効果をもたらすかではないだろうか。

 

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