首都圏における火葬サービスの価格設定に大きな変化が起きています。全国的には97%以上が行政運営の火葬施設で、利用料は無償または2万円程度が一般的です。対照的に、東京23区では9カ所中7カ所が民間経営で、最大9万円の費用が必要になりました。

 

この状況について、主要民間火葬施設を運営する企業幹部は「燃料代や人件費の高騰が主な理由」と説明しています。特に1200度の高温環境で作業する従業員の精神的・身体的負担は大きく、人材確保が困難になっています。さらに「公的補助なしで運営を続けるには適正価格が必要」との見解も示されました。

 

行政運営の施設では税金投入により料金が抑えられる一方、隣接する自治体では市外住民に10万円を請求するケースもあります。皆さんはお住まいの地域の火葬料金をご存知でしょうか？

 

注目すべきは、23区住民向け割引制度の廃止です。この制度は業者の善意で支えられてきましたが、2026年3月末で終了予定です。その代わりに全利用者向けの一律値引きが導入され、生活保護受給者向け低額料金も維持されます。「より公平なサービス提供を目指している」と運営側は強調しています。

 

気になる収益の使途については「将来の施設更新や修繕費用として積み立て、配当には回していない」とのことです。私たちが最後に利用する公共性の高いサービスが、持続可能な形で提供され続けるための模索が続いています。

 

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