従来の菓子業界では、軽量な製品特性から、個別の箱を手作業でトラックに詰め込む「バラ積み」が主流でした。この方式はスペースを最大限活用できる反面、作業時間がかかるという欠点があります。あなたは物流現場の負担がどれほど大きいか想像できますか？

 

深刻化する運転手不足の中、「ばかうけ」で知られる栗山米菓は2023年11月から輸送方法の抜本的見直しに着手しました。栗山大河社長は7月28日の発表会で「製造企業としても主体的な解決策が必要」と強調。彼らの取り組みから学べることは多いでしょう。

 

同社が推進する改革の柱は、商品を台（パレット）にまとめて機械で一気に積み下ろしする方式への移行です。今年5月には幹線輸送の60％がこの方式に転換。待機時間も3時間から1時間へと大幅に短縮されました。さらに賞味期限表示の簡素化や積み下ろし場所の事前予約システムも導入しています。

 

課題は効率性とコストのバランスです。物流管理責任者の阿部真也氏は「ただパレット化するだけでは空きスペースが増え非効率になる」と指摘します。そこで同社は商品サイズの標準化を進め、パレットに最適な形状への移行を推進中。既存製品の生産ライン変更には時間がかかりますが、80％のパレット化率を目指しています。

 

食品メーカーと物流業界の連携がこれからの物流危機を乗り越える鍵になるのではないでしょうか。私たちの食卓を支える仕組みが、今大きく変わろうとしています。

 

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