配達物の受け取り方に変革が起きようとしています。従来の対面受け取りに加え、「置き配」という新たな選択肢が浮上してきました。あなたが不在でも、玄関先に荷物を置いて配達完了とする方式です。この仕組みが普及すれば、再配達の手間が省け、深刻な人手不足に悩む物流セクターの負担軽減につながると期待されています。

 

ネット通販の急成長で宅配便の取扱数は年間約50億個に達し、2030年には各地域で約40％の輸送能力が不足すると試算されています。この状況を受け、国土交通省は7日、専門家による検討会の報告書を公表。置き配を標準サービスに加える方針を示しました。

 

あなたも経験があるかもしれませんが、不在時の再配達は配送業者にとって大きな負担です。大手3社の再配達率は現在9.5％。この数字が下がれば、ドライバーの労働環境改善につながります。ある民間調査では、ドライバーの約9割が「置き配で1日の配達時間が30分以上短縮できる」と回答しているのです。

 

しかし、この新方式には課題もあります。「荷物が盗まれるのでは？」「壊れたらどうする？」という不安を抱える方も少なくありません。特にオートロックマンションでは、配達員の建物内立ち入りに関する懸念が存在します。8月には神戸市で「共連れ」を利用した犯罪が発生したこともあり、セキュリティ面での不安の声が広がっています。

 

こうした懸念に対応するため、一部のマンション管理会社では、デジタルキーによるオートロック解除システムの導入を始めています。配送と安全、双方のバランスをどう取るか—今後策定される国の指針には、トラブル防止策も盛り込まれる予定です。あなたにとって便利なサービスとなるか、今後の展開に注目です。

 

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