「今後も地域のバス路線は維持できるのだろうか」—こんな疑問が現実味を帯びています。民間バス企業の労働者団体が実施した最新調査によれば、全国の路線バス運営会社の7割超が最近1年間でサービスの削減を余儀なくされました。あなたの住む地域でも、バスの本数が減ったり路線が消えたりした経験はありませんか？

 

調査は「私鉄バス専業組合連絡協議会」が主導し、154の加盟組織に対して6月に実施。その結果、130の路線バス運営組織のうち97組織がサービス縮小を報告しました。特に深刻なのは、42組織が路線廃止と便数削減の両方を実施していた点です。

 

コロナ禍からの回復傾向が見られる観光・貸切分野においても、人材不足が深刻な障壁となっています。需要増加を認識しながらも、その需要に応えられないバス会社が約8割に上るという実態が明らかになりました。144組織中、運転手が十分と答えたのはわずか11組織のみ。運転手以外の専門職である整備士や運行管理者も不足している状況です。

 

国土交通省の最新統計によれば、2023年度に全国で廃止されたバス路線の総延長は2496キロメートルに達し、前年度比で1.5倍に急増。過去10年間の累計では約1万6000キロメートルのバス路線が消滅しています。

 

業界関係者からは「待遇改善による離職防止や公的支援の拡充なしに、地域交通網の崩壊は避けられない」との警鐘が鳴らされています。バス路線の存続は、あなたの移動の自由と地域社会の活力に直結する問題ではないでしょうか。この危機的状況への対応は、今や社会全体で考えるべき喫緊の課題となっています。

 

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