滋賀県警が推進する「お試し自主返納」という取り組みが注目を集めています。この制度は、運転に不安を抱える高齢者が一定期間クルマから離れる生活を体験できるもので、今年度の参加枠はすでに9割以上埋まっています。あなたも将来、運転をやめる時のことを考えたことはありますか？

 

この制度の特徴は、約1カ月間自動車を使わない暮らしを実際に体験できること。65歳以上の県民が対象で、公共交通機関の利用や家族のサポート状況を確かめられます。昨年度の参加者のうち約22%が実際に免許を手放したというデータがあります。「家族の支援が想像以上だった」「車の維持費が不要になった」「健康増進につながった」といった肯定的な感想が寄せられています。

 

もちろん課題も見えてきました。「バス停が遠く通院や買い物が困難」「行動範囲が限定された」など、地域によっては移動手段の確保が難しい現実も浮き彫りになっています。皆さんの住む地域では、車がなくても快適に暮らせる環境が整っているでしょうか？

 

県内の高齢ドライバーによる死亡事故は増加傾向にあります。今年9月末時点で交通事故死者40人中12人が高齢ドライバーによるもので、その割合は年々上昇しています。県警交通企画課は「この制度を通じて、車に頼らない生活のイメージを持ってもらえれば」と呼びかけています。自分の運転に少しでも不安を感じたら、こうした制度を活用してみることも一つの選択肢かもしれません。

 

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