2024年4月1日からの「働き方改革関連法」本格施行を前に、物流業界は大きな転換点を迎えています。この課題に対し、トヨタ自動車は独自の解決策を構築してきました。2月5日に同社が発表した物流効率化戦略は、私たちの生活を支える物流網をどう守るかという問いに対する答えかもしれません。

 

従来の部品調達では、各サプライヤーが個別に配送手配を行うことで積載効率が低く、時間もかかっていました。この非効率を打破するため、トヨタは2016年から「引き取り物流」システムを展開。これは複数メーカーの部品を一台の車両で巡回集荷する「ミルクラン方式」を採用し、2024年1月時点で東北・東海・九州地域の約40%で実施されています。この改革により、荷役作業の機械化や安全性向上、効率的な積載も実現しています。

 

さらに注目すべきは、全長25メートルの連結フルトレーラーの活用です。2019年8月に岩手から福岡までの区間で規制緩和されたことを契機に導入が進み、2022年4月には205台が稼働。通常の大型トラックと比較して、積載量は約2倍になる一方、必要なドライバー数は半減し、CO2排出量も約4割削減できます。前後部分を分離できる構造により、狭小地でも対応可能な柔軟性も備えています。

 

あなたも日々の買い物や生活の中で、こうした物流の変革の恩恵を受けていることに気づいたことはありますか？運転手不足やCO2排出量など、物流が抱える課題は私たちの暮らしに直結しています。トヨタの取り組みは、効率化と環境配慮を両立させる新時代の物流モデルを示しているのです。

 

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