トラックのオイルエレメント(オイルフィルター)についての基本知識
トラックのエンジンに取り付けられているオイルエレメント(オイルフィルター)。名前は聞いたことがあるものの、詳しい役割まではよく知らない方も多いのではないでしょうか。
オイルエレメントはエンジン内部を清浄に保つ役割を担っており、エンジンの寿命に大きく関係します。 今回はトラックのオイルエレメントの役割や交換頻度、交換方法について解説します。
著者紹介
ジェットイノウエをはじめとするトラック用品・トラックパーツを取り扱うオンラインショップ「トララボ」の商品担当です。トラック用のオイルエレメントをはじめ、トラックドライバーの皆さまを応援する様々な商品を紹介しています。
トララボを見てみるトラックエンジンに欠かせないオイルエレメントとは?
トラックのオイルエレメントとは、エンジンオイル内の汚れをろ過するフィルターのことです。オイルフィルターとも呼ばれており、エンジンオイルの内部を清浄に保ち、エンジンをきれいに保つ役目を果たします。
エンジンオイルにはエンジンの内部をきれいに保つため、汚れやゴミを取り込む性質を持っています。具体的には金属同士の摩擦によって発生した金属粉やスラッジ(埃や燃焼カスなど)などが挙げられますが、こうした汚れやゴミがそのままエンジンに入り込んでしまうと、エンジンの故障や寿命を縮める原因となってしまいます。
オイルエレメントはこうした汚れやゴミをフィルターでろ過し、エンジンオイルを清浄に保つ役割を担っています。
オイルエレメントの交換頻度は?
オイルエレメントは消耗品です。長く使用していると汚れやゴミがフィルターに蓄積し、ろ過効果が減少してしまいます。そのまま放置しておくと汚れたままのオイルがエンジンに供給される他、オイルの油圧が下がりエンジンに影響を及ぼす恐れがあります。
エンジンの性能を保つことはトラックの“寿命”を伸ばすことにつながるため、定期的な交換が大切です。 オイルエレメントは、オイル交換を行う際に2回に1回程度の頻度で交換をしてください。小型・中型トラックのオイル交換の目安は2万キロ前後、大型トラックの目安は4万キロ前後です。
ただ、大型トラックに関してはオイル交換までの走行距離が長いため、オイル交換のタイミングで毎回エレメントを交換しても問題ありません。
オイル交換 オイルエレメントの交換頻度(オイル交換時) 小型・中型トラック 2万キロ前後 2回に1回 大型トラック 4万キロ前後 毎回(もしくは2回に1回) またエレメントの交換時はフィルターのサイズに応じてオイル量が不足するため、普段よりも多めにオイルを充填することを覚えておいてください。
オイルエレメントの交換3つのステップ
オイルエレメントの交換はディーラーや整備工場で対応しますが、必要な設備と知識があれば自分でも交換が可能です。ここでは3つのステップでオイルエレメントの交換方法をご紹介します。
エレメントの交換時には以下の道具が必要となるため、事前に用意しておきます。
- ・ジャッキ類
- ・リジットラック
- ・オイルチェンジャー
- ・オイルジョッキ
- ・エンジンオイルを拭き取るためのウエス
- ・廃油処理箱
- ・廃油受け皿
- ・汚れてもよい服装
- ・軍手等
1.エンジンを暖気後エンジンオイルを抜く
最初にエンジンオイルを流れやすくするために、エンジンを暖気(温める)します。
外気温や車の状態にもよりますが、暖気時間は1分~5分程度が目安です。あまり温め過ぎると作業中に火傷するといったトラブルにつながるため注意してください。
エンジンオイルが温まったらジャッキアップ後にトラックのキャビンを前方に倒して作業を続けていきます。キャビンを倒した後はロック忘れに注意してください。車体の下に潜り、工具を使ってオイルパンを覆うカバーを取り外します。
オイルパンの下に廃油受け皿を置いてから、ドレンボルトを少しずつ回して外し、オイルを抜いていきます。オイルが抜けた後はドレンボルトのワッシャーを新しいものに交換し、ドレンボルトをしっかり絞めておきます。
2.オイルエレメントを交換する
次にオイルエレメントを交換してきます。廃油受け皿をオイルエレメントの下に移動させオイルエレメントを外します。このとき、カバーの中や外をウエスできれいに拭き取りましょう。
汚れや不純物が残ったまま新しいフィルターを装着すると、オイル漏れの原因になります。 古くなったOリング(パッキン)の取り忘れと交換も忘れないようにしてください。
交換時は新品のオイルフィルターのOリング接着部分にエンジンオイルを塗っておくと、取り付け時のよれや損傷がなくエンジンオイル漏れを防げます。 新しいエレメントを取り付けたら、元の状態に組み立てていきます。
3.エンジンオイルを補充する
オイルエレメントがしっかり取り付けていると確認できたら、エンジンオイルを補充していきます。車の取扱説明書などで適正量を確認後、オイルジョッキを使いながら注いでいきます。
まずは全容量のおよそ半分位を目安に注いでください。オイルレベルゲージで量をチェックし、FとLの目盛り内に収まっていなければ注ぎ足して調整していきます。
エンジン始動後に新しいオイルがエンジンに流れ込むと、FとLの目盛り内に収まらない場合があります。この場合はエンジンを一度切ってから、再度注ぎ足しをして調整します。
FESCO製・オイルエレメント(オイルフィルター)
トラック用のオイルエレメント(オイルフィルター)をお探しならFESCO製の商品がおすすめです。FESCO社は自動車やトラックに欠かせないオイルエレメントやエアコンフィルターを取り扱うブランドメーカーです。
同社のオイルエレメントは世界中で愛用されており、高性能のフィルターでオイルの汚れを軽減し、ベストな状態を保ってくれます。またオイルエレメントのガスケット(Oリング)は純正規格NBR(ニトリルゴム)を採用。
耐寒・耐熱・密封性に優れ、快適な走行をサポートします。エンジン停止時のオイルの逆流を防ぐアンチドレーン弁(ダイヤフラム)にも、高性能NBRを採用し、しっかりと逆流を防いでくれます。
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まとめ
今回はトラックのオイルエレメント(オイルフィルター)の役割や交換頻度についてご紹介しました。
オイルエレメントはエンジンオイル内の汚れをろ過するフィルターのことで、エンジンの状態を清浄に保つ役割を担っています。エンジンオイルの汚れやゴミがそのままエンジンに入り込んでしまうと、エンジンの故障や寿命を縮める原因となるため、オイルエレメントの役目は重要です。
またオイルエレメントは汚れが蓄積すると効果が軽減するため定期的な交換が欠かせません。小型・中型トラックならオイル交換を行う際に2回に1回の頻度で交換してください。
また大型トラックはオイル交換と合わせて毎回交換するとエンジン環境を快適に保てます。
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