トラックのトラブルで多いのがバッテリー上がりです。バッテリーの劣化や放電により、エンジンを始動させるための電圧が不足してしまうのが主な原因ですが、バッテリー上がりにはどのように対処すれば良いのでしょうか?

今回はトラックのバッテリー上がりが発生した時の対処法や、ジャンプスターターの使用方法について解説します。

トラックのバッテリーが上がったらまずは症状を確認

バッテリー上がりとは、バッテリーに蓄えられていた電気が減少してしまい、エンジンがかからなくなる現象を意味します。トラックのエンジン始動や電気系統にはバッテリーが欠かせませんが、以下の原因等によってバッテリーが電気不足になると、バッテリー上がりを起こします。


・バッテリーの経年劣化
・エアコンやオーディオの使いすぎ
・長期間運転しないことでの自然放電
・低速走行での発電量不足

 エンジンがかからなくなるとバッテリー上がりを疑いますが、まずは落ち着いて症状の確認をしてください。症状によっては、バッテリー上がり以外の原因も考えられるため、適切に対処するためにも確認作業が重要です。

セルが正常に回転しない場合はバッテリー上がりの可能性が高い

まずバッテリー上がりの可能性がある症状を見ていきます。 トラックのキーを差し込みセルが正常に始動しない場合はバッテリー上がりの可能性が高いと言えます。

具体的には、「キュルキュルと音はするがエンジンがかからない」「カチカチ音がしてまったく反応がない」といった場合は、バッテリー上がりが考えられます。 この他にも、室内灯や表示ライトが点灯しないといった症状もバッテリー上がりが疑われる症状です。

セルに異変がない場合はバッテリー上がり以外の原因を考える

一方で、セルは正常に回転するもののエンジンがかからない場合や、室内灯や表示ライトは点灯するがエンジンがかからない場合は、バッテリー上がり以外の原因を疑います。

例えば、セルモーターの故障、点火系や水温センサーの故障、燃料噴射装置の故障、電気回路の破損 などが挙げられます。

こういった原因でエンジンがかからない場合は、異常個所の修理が必要です。専門的な知識や技術が必要となるため、整備工場や専門業者に連絡し修理を依頼してください。

トラックのバッテリーが上がった時の対処法

バッテリー上がりは、バッテリーの劣化や寿命が主な原因です。そのためバッテリー上がりを起こしたトラックは、新しいバッテリーへの交換が必要となります。交換作業を済ませないと、トラックの走行ができません。

しかし「ジャンプスタート」と呼ばれる応急処置を施すことで、一時的に走行することは可能です。ジャンプスタートとは救援用のトラックやジャンプスターターを使用して、一時的に電力を供給しエンジンを始動する方法です。

とくにジャンプスターターは他の車両を呼ばずに自分で応急処置ができるため、万が一のときに役に立ちます。 ここではジャンプスターターを使った、バッテリー上がりの対処法を解説します。

ジャンプスターターの使用手順


1.ジャンプスターターの状態を確認する
2.エンジンをOFFにしてシフトレバーをパーキングに入れる
3.ケーブルを接続する
4.ジャンプスターターから給電をする
5.ジャンプスターターを外す

まずジャンプスターターを使用する前に、本体の充電がしっかりされているか確認してください。充電の残量が少ない状態で使用すると、十分な出力が得られずエンジンが始動しません。充電が不十分な状態で使用すると、かえってバッテリーやスターターに負荷がかかるため、しっかり充電されているか確認して使用してください。

次に、バッテリー上がりを起こしたトラックのエンジンをOFFにし、シフトレバーがパーキングに入っているか確認します。キーを挿した状態でも通電する場合があるため、キーを抜いておくのも忘れないようにしてください。

次に、トラックのバッテリー端子に、使用するジャンプスターターのケーブルを接続します。赤いケーブルを+(プラス)の端子に、青いケーブルを-(マイナス)の端子に接続します。この際、使用するジャンプスターターによっては使い方が異なる場合があるため、事前に取り扱い説明書を確認しておくと間違いがありません。

接続が完了したらジャンプスターターから給電が開始されます。給電が完了したらエンジンを始動してください。正常にエンジンがかかれば、そのままエンジンを切らずにジャンプスターターを外して作業完了です。

ジャンプスターターは応急処置。早めのバッテリー交換を

ジャンプスターターを使って正常にエンジンが始動したら、なるべく早くバッテリー交換を行ってください。

ジャンプスターターはあくまでも応急処置で、一時的にバッテリーを通電させるのが目的です。そのまま使用し続けてしまうと、またすぐにバッテリー上がりを起こして走行できなくなります。

一般的にトラックのバッテリーは使用期間が2年程度、もしくは走行距離2万キロが交換の目安となります。大型トラックでは寿命が長いバッテリーを搭載している場合が多く、走行距離4万キロ程度が交換の目安です。

Almighty スーパーコンデンサー搭載 ジャンプスターター 12V車専用 SBR-12

いざという時に役立つジャンプスターターをお探しなら、Almighty(オールマイティ)社製の「スーパーコンデンサー搭載 ジャンプスターター」がおすすめです。

従来の鉛バッテリーやリチウムイオン電池を使用しているジャンプスターターは、事前に充電が必要です。しかしSBR-12はスーパーコンデンサー(大容量の蓄電池)を搭載することで、バッテリーに残った電力を吸収、昇圧(増やす)して使用。事前の充電が必要なく、エンジンへの給電を実現できます。

製品は12V車専用(SBR-12)と12V・24V車共用タイプ(SBR-1224)があるので、搭載しているバッテリーの電圧に合わせてお選びください。

まとめ

今回はトラックのバッテリーが上がった際の対処法についてご紹介しました。 バッテリー上がりは劣化や寿命が主な原因で、新しいバッテリーへの交換が必要です。

しかし救援車やジャンプスターターを接続してエンジンを始動させる「ジャンプスタート」を行えば、一時的にエンジンを始動できます。いざという時でも慌てないために、ジャンプスターターをはじめとしたバッテリー系のアイテムを用意しておきましょう。