東京都の7月14日の新型コロナ感染者数は、143名。20代が64名と最も多く、次いで30代の29名と続く。そんな中、東京都の医療機関職員の感染も相次いで判明。東京都の現状を追った。

1週間平均は最大値超え

現在の東京都の1日あたりの検査数は、約2,200件。14日の感染者数は143人で2日連続200人を下回ったが、1週間平均の1日あたりの感染者数は14日時点で173,7人に上り、感染が拡大し緊急事態宣言下の最大値(167,0人、4月14日)を超えている。

都職員の栄養士が感染

そんな中、都立小児総合医療センターに勤務する20代女性栄養士が、新型コロナウイルスに感染した。経過については、以下の通りだ。

7月6日(月曜日)及び7日(火曜日)
勤務。症状なし
7月8日(水曜日)【発症日】
勤務。咽頭痛あり、発熱なし
7月9日(木曜日)及び10日(金曜日)
勤務。咽頭痛や鼻づまりあり、発熱なし
7月11日(土曜日)
非勤務日。咽頭痛や鼻づまりあり、発熱なし
7月12日(日曜日)
非勤務日。咽頭痛や鼻づまりに加え喉のつかえ感やくしゃみの症状あり、発熱なし
7月13日(月曜日)
咽頭痛や鼻づまりに加え、味覚異常が出現したため、出勤後、所属長へ報告、当院においてPCR検査を実施。検査の結果「陽性」が判明。現在、自宅療養中。

濃厚接触者は栄養士3名

現在までに、以下の事実も判明している。

・当該職員は、栄養士として、主に執務室で勤務し、献立作成のほか、入院時における患者及び保護者等へのアレルギー問診等の業務を行っていた。
・当該職員は、7月8日から咽頭痛などの自覚症状はあったが、症状は軽く、発熱もなかったことから、勤務を継続していた。7月13日になって味覚異常を感じたため、所属長に申し出て検査を受けた。
・当該職員は、勤務中は常時マスクを着用し、手指消毒等の標準予防策を実施していたほか、患者及び保護者等へのアレルギー問診は、感染予防策として設置したアクリル板越しに行っていた。また、当院において、陽性患者との接触歴はない。
・所管保健所の指導を踏まえ、当該職員の発症日の2日前である7月6日以降接触があった患者等・職員は、現時点で把握している限り、患者の保護者等2名、栄養士9名である。うち、濃厚接触者に該当すると判断されたのは、栄養士3名である。
・濃厚接触者のうち、職員1名に風邪症状が見られるが、当該職員と接触があったその他の保護者等及び職員に、感染を疑わせる咳・発熱等の症状は認められない。

濃厚接触者は自宅待機中

また、病院は、以下のような対応を取っている。

(1)濃厚接触者3名を含めて、当該職員と接触した9名の職員についてPCR検査を実施したところ、本日、全員の陰性を確認した。なお、濃厚接触者の3名については、自宅待機としている。
(2)当該職員と接触のあった保護者等については、説明の上、症状が生じた場合、当院へ連絡するよう伝えている。 (3)職員が業務を行っていた執務室や動線等については、7月13日に消毒を実施した。
(4)職員の手指衛生やマスク着用等の標準予防策を引き続き実施するとともに、感染管理担当(ICT)による巡回点検を強化する。また、病棟の手すり、ドアノブ等の高頻度接触面の消毒について一層徹底する。
(5)改めて、所属長による職員の体調確認及び健康管理を徹底するとともに、職員には体調が悪い時には直ちに申し出るよう指導している。

外来・入院とも通常診療

今後の診察について、病院側は、当該職員については、勤務中は常時マスクの着用と手指消毒等の標準予防策を実施していたことに加え、病棟での滞在時間は各日5分程度と短時間であり、他の医療スタッフとの接触も殆どない状況であった。

更に、当該職員の接触者である職員全員の陰性を確認しており、このうち濃厚接触者については自宅待機としている。

また、当院では、所管の保健所の指導・助言を踏まえ、手指衛生やサージカルマスクの着用などの標準的な院内感染対策について、引き続き徹底を図り、外来・入院とも通常診療をこれまでどおり継続するとしている。

著者紹介 @sutekinamiraie @sutekinamiraie

『取材力』を武器に、そのファクトの本質は、何か?核心を伝えるべく、幅広く活動を展開。
現在、合計7社の記者・クリエイターとして活動中。
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